ホダ木から生えてきたしいたけが乾き過ぎて、成長できない、あるいは、ホダ木そのものが乾き過ぎてしいたけの成長がほとんどしない・と言うことがあります。

このページでは、その対処法法を説明します。

 

まず、第一は、ホダ木を過乾燥にしない(ホダ木を湿度の高い場所に置く)ことを忘れないでください。

ホダ木が乾燥しすぎると、ホダ木の樹皮がかさかさした感じになります。

この場合、しいたけの発生は望めません。

しかし、それでも、乾き過ぎてしまったら・・・

 

しいたけ(きのこ)の乾き過ぎとは

上の写真は、11月26日に浸水したホダ木です。

高橋農園の事務所に置いておいたものです。(故意に、乾き過ぎの場所に置きました)

事務所は乾き過ぎているので、①生えてくるしいたけの芽が少ない、②せっかく生えたしいたけの芽が1cmほどで成長が止まる、きのこにならない、(上記写真の上側)、③生えたしいたけは何とか成長するが、乾き過ぎて成長が遅く、しいたけは過乾燥で小さめになっている、と言うことが起こりました。

 

下の写真は、打撲浸水後10日目の写真です。上の写真と同じ日に打撲浸水したものです。

何とか成長していますが、乾き過ぎて、成長も遅いです。

椎茸の傘の色が、白っぽいです。これは、乾き過ぎです。

椎茸や椎茸の足を触ると、かさかさした感じがします。

ちなみに、数日前から過乾燥が分かっていたので、その日から1日に3~4回、霧吹きで散水しています。

なので、多少はましになっています。

もし、霧吹きをしなければ、成長が止まっていたかもしれません。

椎茸が乾き過ぎると、しいたけの傘の皮がぱりぱりに乾燥します。

その後、しいたけが成長するので、傘がひび割れたり(下の写真)、しいたけの傘の皮が裂けたり(上の写真)します。

上の写真は「天白どんこ」と呼ばれ、乾し椎茸とそては大変高価ですが、栽培は難しいです。

 

湿度の丁度良いところに置いたしいたけ(きのこ)は下写真のような色をしています。

 

【対処法1】ホダ木を湿度の高い場所(夜間の湿度が80%以上になるところ)に移動する

ホダ木や椎茸が乾いた場合、ホダ木を湿度の高い場所に移動することが一番です。

人が快適に生活するような部屋の場合、乾き過ぎています。

どこか、湿度の高い場所を探して、ホダ木を置いてください。

もし、屋外に置く場合、しいたけが育つ間は、風よけをしてください。

 

 

【対処法2】霧吹きなどで散水する

この方法は、ホダ木から生えてきたしいたけの「芽」に、霧吹きなどで散水することです。

実は、この方法の効果は少しです。しかし、何もしないよりはましですので、散水してみてください。

人が生活するような乾いた部屋の場合、1日で3~4回水をかけても、まだ、乾き過ぎになるかもしれません。

また、水をかける際、しいたけの傘だけではなく、足(軸の部分)にもかけてください。

 

【対処法3】ホダ木全体を薄いビニールのようなもので包んでおく。

ホダ木全体を包むことのできる大きめで透明のビニール風呂敷、または、ホダ木全体に被せることのできる透明なビニールの袋がございましたら、それで、ホダ木全体を包んでください。

 

ホダ木全体を包むとき、しいたけが大きくなってもビニールで締め付けられないように、隙間に余裕をもって、ホダ木を包んでください。

袋の場合、口を完全に閉じないで少し開けておいてください

 

 

【対処法4】椎茸のそのものへの袋掛け

しいたけが過乾燥であることが分かったら、次のようにすることが一案です。

これは、寒い時期に行ってください。(暑い時期に行うと、しいたけにカビが生えるかもしれません。)

この方法は、「袋掛け」とか「1円ハウス」と呼ばれるもので、しいたけ(きのこ)の過乾燥防止と保温が目的です。(従って、袋の中が25℃以上になるような環境は避けてください。)

(1) まず、下の写真のようにボボードンのポリ袋(8号以上の大きさが良いです)と輪ゴム(普通サイズ)を用意します。

(2) 次に、袋をしいたけにかけます。その時期は、しいたけの大きさが2~3cmくらいになって、傘が白っぽくて過乾燥であることが分かってから(写真の椎茸よりも小さい)が良いです。

(3) しいたけの足の下の方で、輪ゴムで袋を留めます。

(4) こんな感じになります。袋が大きすぎるように感じますが、これを行うと、しいたけは普通よりも大きくなります。大きめの袋をお勧めします

ホダ木から生えてきたしいたけ全部に袋掛けするのが難しい場合、大きめのしいたけだけに袋掛けをすることも考えられます。

 

(5)袋掛けをしたしいたけとしなかったしいたけを比べてみました。

この2つは、しいたけの傘の大きさが3cmくらいの時(2つとも同じ大きさ)、右側だけ袋掛けしたものです。

明らかに袋掛けした方が大きいです。

 

(6) 袋掛けした方の袋を取ってみました。

2つのしいたけは、同じ大きさくらいのものを、片方だけ袋掛けしたものです。

左側(「袋掛けしない方)のしいたけは、重さが約30gでした。椎茸自体もかさかさした感じで乾いていました。

右側の(福利掛けした方)のしいたけが、重さが約78gありました。(袋掛けを取るのが1日遅かったので、やや開き気味になっています。)

袋掛けをしたら、2倍以上の重さになったことが分かります。